柳沢発言

世間で話題になっている柳沢発言について、遅ればせながらコメントを。

正直、あの程度の失言でこんなに後を引くとは思いませんでした。全文を読んでみると例えが悪かったのは確かですが、女性の人権を無視しているとは感じられませんでした。そりゃあ、女性はむっとするでしょうけどね。私も「言葉は悪いが男を種馬に例えると優秀なのが数匹いれば良い」なんて言われたらむかつきますよ。


まあ、いかにも元官僚らしい発言ではあります。少子化問題を考える時、決して女性の数以上には人口は増えないという冷徹なロジックを説明するのに機械を持ち出すのもなんとなくわかります。自分の発言を国民が聞いているという意識が希薄でしたね。あと日本のマスコミの国語力も考慮すべきだった。森総理の神の国発言の時も発言の中から不穏当な単語を抜き出して騒ぎ立ててましたね。

でも、それで辞任を求めたり野党が審議拒否して、国会を空転させるのは何か違う。女性の人権を政争の具にしているだけじゃないか。厚生労働相ホワイトカラーエグゼンプションなど問題のある法案を手がけていますからね。


マスコミ(TVと大部分の新聞社)についてはもう諦めているから何も言いません。ハイエナが腐肉をあさっても責められない。そういう存在なのだからしかたがない。

でも、野党(特に民主党)については言いたいことがある。
野党は自民党に勝つことしか考えていない。本音ではさして政策に違いはないのに同じことをやっていては勝てないから信念を曲げてまで対立軸を作る。たいした問題でもないのに、自分もその程度の失言はしているのに、鬼の首を取ったように騒ぎ立て、辞任を求め、受け入れら無ければ審議拒否する。
勝つことしか考えてないからかえって自分の首を絞める。選挙の結果少数の議席しか得られなかったのだから負けるのはしかたがない。だから大切なのは勝つという結果ではなく国民の前で筋を通してしっかり議論するというプロセス。野党が役割を果たし、それを国民が認めれば次の選挙でさらなる議席を得られるはず。それが民主主義だと思う。

なのに、安易に小さな失言を騒ぎたてたり、怪しげなスキャンダルに飛びついて、挙げ句の果てに自爆する。確かな野党がなければ政党政治は機能しないのだからもっとしっかりしてもらいたい。
個人的には民主党に何かできるとは思えない。政治的理念の異なる議員の寄せ集めなのだから党として機能するはずがない。民主党の保守派とその他の泡沫政党、それと今の自民党についていけない議員が集まって新党を立ち上げてくれないかなと期待します。

とにかく、こんなバカ騒ぎで政治を停滞させないで欲しいです。