剣闘士スパルタクス

剣闘士スパルタクス (中公文庫)

剣闘士スパルタクス (中公文庫)

ローマ時代の剣闘士スパルタカスの歴史小説です。相変わらず佐藤賢一の歴史小説は外れがない。とはいえ、傭兵ピエールやジャガーになった男に比べるとちょっと劣りますね。


スパルタカスがおとなしめの人物なのでちょっと勢いがないですが、剣闘士の生活や試合等それだけでも面白いです。無敵の剣闘士として喝采をあびているスパルタカスもパトロンのご機嫌を損ねると、所詮は奴隷なわけで酷い目に合わされるわけです。脱走して自由になっても所詮剣闘士、戦うことしかできないのが悲しいところです。ローマ帝国への復讐とか叫んでもそれは後付の理由なんですね。


最後の顛末は敗北だとわかっているので、読んでてちょっと陰鬱になります。